代々木第一体育館は前回1964年の東京オリンピックで水泳会場として使用されました。
その後水泳場としては役目を終え、バレーボールやフットサル、そして冬にはフィギュアスケートを行う体育館として、都心のアクセス便利なコンサートアリーナとして親しまれてきました。
2021年に延期された2回目の東京オリンピックではハンドボール競技の試合会場となっています。
オリンピックを前に改修工事を行った代々木第一体育館。
その歴史と新たな装いを紹介します。
代々木第一体育館の歴史
代々木第一体育館は1964年9月、オリンピックのわずか一か月前に竣工を迎えます。
新国立競技場で有名な隈研吾氏が建築家を目指すきっかけになったという代々木第一体育館は丹下健三が手掛けています。
吊り屋根構造を採用することで無柱の大空間を実現、体育館の中にいる者の全方位視野を確保し場内の一体感を醸成する画期的なつくりでした。
天に向かって伸びるようなその独特な形状も人々の心に残る体育館となっています。
1964年の東京オリンピックでは競泳と飛び込みの会場として使用され、その後は東京オリンピックのレガシーとして長く愛されることになりました。
オリンピックの翌年に一般向けの水泳場開放が始まると夏はプール、冬はスケートリンクとして市民に親しまれます。
また、都心の交通至便な場所にあり、1万2千人以上を収容する貴重な大規模アリーナとして数多くのコンサートの会場ともなります。
2021年に延期された2回目の東京オリンピックではハンドボール、パラリンピックではウィルチェアラグビー、バドミントンの競技会場として使用されることになり、 それに合わせて耐震改修やバリアフリー化の工事が施されることになりました。
代々木第一体育館の改修内容
2018年1月から始まった工事は2019年9月に完了し、現在の耐震基準に合致させるための耐震補強やオリンピック・パラリンピックのバリアフリー基準に合致させるための工事が実施されました。
工事後も代々木体育館の美しい外観や屋根の形はそのまま残されています。
一方、観客用の座席はリニューアルされていて、青みがかった色合いとなり、体育館内の雰囲気が少し変わっています。
また、代々木第一体育館の原宿駅側の門からエントランスに向かう途中で車いす用のスロープが拡大設置され、体育館内の車いす用のスペースも多くなっています。
工事終了後の2019年11月にはオリンピックのテストイベントとして早速第71回日本ハンドボール選手権大会(男子の部)とJAPAN CUP 2019 渋谷(WOMEN)が開催され、競技運営の準備も着々と進んでいることと思います。
歴史ある代々木第一体育館がハンドボールの聖地となる日もそう遠くありません。
0コメント