パリ五輪で唯一の新設恒久施設となるアクアティクスセンターのデザインが公開①

東京オリンピックの次の夏季オリンピックとなる2024年のパリオリンピックでは既存施設を活用し、競技会場の新設は最小限に抑えられています。

その結果、唯一の新設競技会場として計画されているのが水泳の会場となるアクアティクスセンターです。

先の4月にコンペで選らばれたデザイン案が公表され、この度公式にイメージ画像と詳しい建築構造が公開されました。

およそ215,000平方フィートのアクアティクスセンターは太陽電池を搭載したサドルの形の屋根と五輪後に改修できるようにユニット式のプールを採用しています。

フランス国内でも最大級となるこの太陽電池は会場で必要な電力のおよそ25%を供給すると見積もられています。

メインのプールエリアに吊り下げられた特徴的形状の木の屋根は最小限の空間を確保するように設計されていることから、今後50年間で必要な空調の稼働を抑え、環境への負荷を低減するように考えられています。

この木製の屋根の採用により、コンペの基準にさだめられている生物由来材料の基準値の2倍を達成しているとのことです。

さらに、市民に向き合う顔となるファサードにも木がふんだんに使用されるとともに、周辺には100本の木々が植えられ、和やかな景観が形成されます。

環境面では、高度な水の循環システムの採用、周辺の解体工事などで発生した木材ゴミやアップサイクル(付加価値の高いものに作り替えること)されたプラスチック家具等も採用される予定です。

客席数は5000席を見込んでおり、飛込、水球、アーティスティックスイミング、そしてパラリンピックではボッチャの会場となる予定です。

また、アクアティクスセンターは向かいにあるスタッドフランス(サンドニスタジアム)と歩行者デッキで接続されます。

2024年パリオリンピック・パラリンピック終了後には改修を経て2025年より一般に開放される予定です。

改修によってプール利用者だけでなく、サッカー、バスケットボール、クライミング、ジムなどの機能も設けられることとなっています。

パリ五輪・パラリンピックでは競泳を開催するメインの水泳会場として15000席を有する会場が準備されますが、こちらの会場は仮設となり、大会終了後には解体されます。

また、トライアスロンの水泳とオープンウォータースイミングは浄化されたセーヌ川で開催される計画となっています。

Salida de balón / サリーダ・デ・バロン

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