サリーダ・ラボルピアーナ(salida lavolpiana)とは攻撃の組み立ての際にボランチがディフェンスラインに落ちる戦術的な形のことです。
スペイン語での呼び方は馴染みがないかもしれませんが、既に日本のサッカーシーンでも「ボランチ落ち」として浸透しています。
4バックシステムの際、ボランチが2枚のセンターバックの間に落ちてきます。
こうすることにより2つの利点があります。
一つは両サイドバックが高い位置を取れるようになること。
もう一つは相手が2トップの場合に2枚のセンターバックに1枚のボランチを加えることで3対2の数的優位な状況を作り出せることです。
ボール捌きが得意なボランチの選手がビルドアップに加われるという利点もあります。
この戦術は元アルゼンチン代表ゴールキーパーでメキシコで長らく監督として指揮をとっていたリカルド・ラボルペ氏が発明したと言われています。
メキシコ国内のアトラス、トルーカ、アトランテといったクラブを率い、メキシコ代表監督としてブラジルやアルゼンチンから勝利を挙げ、ドイツワールドカップでも決勝トーナメント進出を果たすなど、メキシコ代表チームはFIFAランキングで最高4位を記録するしたことから、メキシコ国内に信奉者が多い監督です。
しかし「ボランチ落ち」の戦術はまだ世界的には有名ではありませんでした。
この戦術をヨーロッパに持ち込んで世界的な潮流としたのはバルセロナを率いていたペップ・グアルディオラです。
バルサがサリーダ・ラボルピアーナを用いて快進撃を続けたことから、世界中にこの戦術が知れ渡り、様々な監督が取り入れるようになりました。
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