アトレティコをビッグクラブにしたシメオネの名言
銀河系とよばれ常勝の名を欲しいままにしていたライバル レアル・マドリードを後目に、影の薄くなっていたアトレティコ・マドリードをビッググラブに育て上げた張本人、名称シメオネ。
試合中はピッチ横で大声を張り上げ選手を鼓舞し続け、会見では記者の質問によどみなく回答する。
そのシメオネの会見やインタビューからはいくつもの名言が生まれてきた。
シメオネは自著の中でそうした言葉は決して準備したものではなく、「自然発生的に生まれてきた」としている。
パルティード・ア・パルティード「一試合一試合」
パルティード・ア・パルティード(Partido a Partido)はそんなシメオネが掲げる自らの標語。
日本語に翻訳すると「一試合一試合」。
強くなるために目の前の一試合一試合を死に物狂いで勝ちに行く、華麗ではなくても泥臭く勝利を掴もうとするアトレティコのスタイルそのものである。
現役時代は豊富な運動量でピンチの芽を摘み取る守備的ミッドフィールダーとして一時代を築いたシメオネは、自身のスタイルをすっかりアトレティコに落とし込んだようだ。
様々な選手に語り継がれるようになった言葉
パルティード・ア・パルティードは今やシメオネ一人の標語ではない。
2016年12月30日、冬の全国高校サッカー選手権の開会式での選手宣誓。
青森山田の主将を務める住永翔は「宣誓」という始まりの言葉に続け、「パルティード・ア・パルティード」とスペイン語を響かせた。
自らも守備的MF(ボランチ)を務め、シメオネ自身やアトレティコの戦い方に共感するところがあったのかもしれない。
住永の選手宣誓は締めくくりも「パルティード・ア・パルティード」だった。
2020年2月、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦でバルセロナはアウェーのナポリ戦を1-1のドローで終えた。
かつてシメオネ監督の薫陶を受けたフランス人FWグリーズマンは「今のバルセロナにCLを優勝する力はあるか?」との問いに、「パルティード・ア・パルティード」と答えた。
現在のサッカー界においてバルセロナはかつてのような絶対的な存在感は失っているかもしれない。
だからこそかつて自身も所属したアトレティコがそうであったように、目の前の一試合一試合を真摯に戦っていくことで、道が開けるであろうということを示したかったのではないだろうか。
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